古代世界の占いの考え方は現代にも通用している
古代世界の占いの考え方は現代にも通用している
古代の中国においても、動物の骨を焼いて、それがひび割れたときの形からさまざまな吉凶を占うという方法がとられていた。これは焼かれた骨の上にひび割れが入り、その形を神意として見ようとするものだ。熟練した占い師はそこに天からの何らかのメッセージを受け取ろうとしていたのだ。
こうした古代世界の占いの方法は、今でも易やタロットカードなど、いわば偶然性を演出する装置を通して、連綿と続けられている。御神籤もまたそうしたものの一つであろう。
一般的にも、ある偶然に出くわした場合、それが単なる偶然という言葉では済ませられないほど、その人にとっては意味深い、それこそ自分に向けられたメッセージではないかと感じられることがしばしばある。すなわち、意味のある偶然(シンクロニシティ)といわれることで、これは誰にでも経験があることだろう。
同様に、人間からすると不確実で曖昧なもの、偶然性に左右されやすいものの中にほど、神意は現われやすいのではないだろうか。ふだんは、忙しさの中に見過ごしてしまうことの中にも、神意は厳然と現われており、それを厳粛に受け取っているのが占い師ということになるのかもしれない。
どの物質も、それを極限にまで小さくしていった素粒子レベルの世界では、もはや心とか意識といった要素の影響も無視できなくなることがわかってきた。すなわち、物質は、心のようなものからも影響を受けているということである。
一心に念が込められた物。それはこの時代においても、古代世界と変わらない最強のお守りとなり、また、魔法や占いの道具となる可能性を秘めているのだ。